.png)

今年初めから股関節の絶望的な痛みが消えない
股関節の痛みから脱出した!
実 況 報 告
私自身がそうであったように、できることなら手術したくないという皆さんのお気持ちに応えるために実体験の経緯と感想を含めてこの記事を書きます。
この切実な股関節の痛みは、いったん痛み出すと時にもうだめかと思うほどの痛みとなって戻ってきます。
私の場合、ひどい時の実感としてその痛みを表現すると「骨と骨がぶつかり合っている」とリアルに感じる痛み。体重をかけるたびに鼠径部に響くような尖った感じの痛みです。寝返りが痛くてできない。起床して立ち上がって一歩踏み出す時から痛い、階段を降りる時、一歩一歩が怖いし、痛い。
痛みの感覚・・骨と骨が当たると感じる痛み
股関節症では骨が痛いと訴える人が多いです。紛れもなく私もそう感じていました。
骨や軟骨に神経はありません。いわば髪や爪を切っても痛くないように、骨と骨が当たっても、軟骨がなくても痛みとは関係ありません。理屈ではそうですが、実感は違います。
ではなぜ、骨が痛いと感じるのでしょうか。私は痛みを発する箇所が筋肉などの周辺組織に数か所あって、それが半円や弧を描くように点在する時に、その中心部に痛みを感じると考えています。これを痛みが一点に収束するという意味で収束痛と呼んでいます。
例えば、頭の中心部がガンガンと痛いと感じる頭痛も同じ収束痛です。脳には痛みを感じる神経がありませんが、頭の中心が痛いと感じることがあります。股関節痛もこれと同じ現象だというわけです。
股関節の骨が痛いと感じている時に、骨を取り巻く筋肉等が痛いものを、痛みの収束している中心部の骨が痛いと感じているということです。
私はこの2カ月間毎朝30分程度歩くことを日課にしています。もちろん痛みがひどい時はしません。朝、車で5∼6分のところにある運動公園に行くのですが、痛い時期は起床時、そして車に乗り込むまで、車から降りて散歩を始める時、一つ一つの動作に股関節が痛みます。そういう痛みがひどい時は、まさしく骨と骨が当たって痛いとしか表現できない痛みを感じます。正直、絶望する痛みです。
軟骨がないから、骨と骨がぶつかって痛いのですよと言われれば、その説明に対して反論できない実感があります。しかし、私はこれまでの経験上、その痛みが数分程度で解消することを知っていますから、最初の数分程度は自己療法の要領を使いながらゆっくり歩を進めます。そして、だいたい3分くらいすると、痛みがす~ッと引いていきます。
この現象をどう理解するかです。結論は先述の収束痛だと理解しています。ゆっくり歩きながら歪みを整え、起立筋や骨盤、股関節周辺の筋肉群の緊張を自分の手で解消したり、あるいは、痛みを発している筋肉群が動いている間にほぐれてきて痛みがなくなっていくのを感じています。
骨と骨がぶつかることによる痛みなら、歩いている間にだんだんひどくなっていくはずです。実際はそうではありません。反対にだんだんと痛みが薄れて、その後約30分の歩行中最後まで痛みはありません。また、日中パソコンに向かって数時間続けて座っていますと立ち上がる時にちょっとした自己療法をしないと痛みが出ます。
これも、じっと座っていることによる筋肉疲労の結果です。じっとしている姿勢をキープするのにも筋肉等の組織には負担をかけています。動かないから楽というわけではありません。身動きしないということは、それだけで長時間筋肉が張っているということになります。
デスクワークは楽だろうと思われるかもしれませんが、ちがいます。デスクワークの人は、動いているのが休憩になります。反対に肉体労働の人は、座っているのが休憩になります。
長時間の椅子姿勢方立ち上がる時も、負担をかけていた部分の自己療法をほんの少しすることで、骨と骨がぶつかって痛いと実感する痛みがすぐになくなるという事実から、私はその痛みも収束痛であると理解しています。
また私と反対に歩き始める時は痛くないけど、歩いている間に痛くなるという聞き取り調査結果の数も多いです。股関節の痛みの関しては興味深い事例が一杯です。
股関節の施術を長年してきた経験則からも、私の実感からも面白いものだと思います。さらに、さらに事例研究を進めていきます。
私の痛みに関する経験は推測ではなく私の事実です。従いまして、この事実に基づいた施術法と痛み解消法を基本にして、あとはご本人の状態を見ながら個別に施術法と自己療法メニューを構成してお教えしていきます。
痛みは消えるもの!出口が見えたら回復も早い。
着替えの時も足を曲げると痛い。靴下をはくのも、ズボンに足を通すのも、しゃがんで下の物を取ろうとするときも痛い。車の乗り降りも痛い・・・。
良く今まで耐えられてきたと思います。なぜ耐えられたのか?振り返ればいったん痛くなっても股関節の施術原理がわかって、それを自分で直せる方法を知っていたから気楽になったのだと思います。痛み解消の上ではこの気楽さが大きな役割を果たしていると実感しています。
やるかやらないかは別にして、そのうち治るだろうと思えるのは大きな救いでした。長年、施術の基本から勉強して、自分の痛みと向き合って、試行錯誤し出来上がってきた自己療法や、自分なりに施術家としての視点で股関節の痛みの解消法を行い、その時々の状況に合わせた手入れの方法を発見できたのも大きな救いでした。
振り返れば、子供の頃から、股関節の、あの痛みの辛さは骨身にしみています。しかし、痛みにも波があり、本当に耐えられない痛みの時と、痛みを忘れて行動していた時もありました。「しばらく我慢していたらマシになる」そう思えることで救われていました。
自己療法を覚えてからは、今痛くても数日のうちに良くなるとわかっていましたから、コツコツと手入れしていました。そうした日々を送るうちに手術という選択肢は完全に消えていきました。
痛くなければ股関節が悪いということも忘れて思い切り歩いたり、サイクリングしたり、キャンプにいったり、アウトドアライフを存分に楽しみました。健康を満喫していた時期も多くありました。
半年前から絶望的な痛み∼筋肉の衰えから股関節の痛み
ところが2020年初頭から、2018年に経験した痛みとよく似た痛みが再び出現し、それ以前には味わったことのない痛みが定着してきました。70歳になってからのことですから、もうこのままダメになるのではないかという恐怖も内心ありました。
自己療法をしてもなかなか効果が表れません。ないというより、思うように身体が動かせないほど痛いのです。痛いから手入れもしない。たまりかねて施術を受けてもすぐに戻ってしまいます。施術を受けて痛みが軽減しても、しばらく動いているうちにまた痛みが戻ってきしまうのです。
朝起きて踏み出す一歩が怖いこと。階段を下りるにも手すりにしがみつくように一段一段降ります。目的地まで10メートルもあると随分遠く感じます。自宅から50メートルもあれば歩くのをあきらめて自転車で行くしかありません。
なぜこうなってしまったのか。振り返れば答は一つです。
「加齢と運動不足による筋肉の衰え」それは認めざるを得ません。この1年間ほとんど運動らしい運動をしていませんでした。
加齢・筋肉の衰え・運動不足、私はこの3要件をしっかり満たしていました。
特に体幹力の衰えが気になりました。股関節の痛みがある方が皆さん同じというわけではありません。筋トレ不要あるいは無理な筋トレは有害という方もおられます。本稿では私の事例を前提に書いています。
それを端的に実感させてくれたのは、仙腸関節が不安定になったことで痛みが付きまとうということでした。頭蓋骨の調整と同様に仙腸関節も力で修正できるものではありません。微妙なコツがいります。
例えば、車のエンジンのシリンダーにピストンを挿入するためには、微妙で正確な位置を定め、軸に合わせて挿入する必要があります。少しでも軸に合わなければ入っていきません。隙間の少ない空間にぴったりする物を挿入するときには、急がずにゆっくりと、最低限の力で挿入する必要があります。
これを骨格に当てはめれば複雑な関節ほど同じだといえます。仙腸関節がまさしくそうです。股関節自体は単純な球形関節ですが、骨盤と直接かかわりのある関節ですので、骨盤、仙腸関節の状態も考慮に入れて修正する必要があります。
骨盤と股関節をつないでいる筋肉が正常になって、仙腸関節を整えれば、同時にすべての修正を行うことができます。
強い筋肉への刺激は反面、脳による自己防衛としての緊張を招くことになって逆効果になります。脳への安心信号を送りながらアプローチすることが大切です。
脳へ安心信号を送ることで筋肉の弛緩ができれば、歪みも捻じれも鮮やかに解消できます。その結果、筋肉の緊張がさらに弛緩するという良循環が生まれます。
少なくとも股関節に直接的に関係する筋肉が弛緩すれば、股関節も骨盤・仙腸関節も正常化していきます。
あとは私のように、加齢・筋肉の衰え・運動不足の方には安定した状態を維持するために必要な筋肉を付けるという課題が残っているだけです。
施術と自己療法に共通する原則は、なるべく力を使わずに小さく動かすこと。ほんの少しだけ筋肉を使うことです。筋肉は、常に緊張と弛緩を繰り返しています。ちょっと動かすだけでも、緊張したり弛緩します。
ですから小さな動きを繰り返すことで、脳は安心して力を抜いて、ゆっくり弛緩して痛みもとれていくということになります。大きな動き、強い動き、速い動きは緊張をもたらすということを覚えておいてください。
運動記録から見る転落と回復への道
「紺屋の白袴」とか「医者の不養生」という言葉があります。実は私もそうでした。 体重も増え動くのが段々億劫になっていました。そして冬の寒さの中で散歩からも遠ざかり、自己療法も怠って、何時しか不調を感じても、股関節の痛みが徐々にひどくなってきても、真正面から取り組むことを先延ばしにしてきました。
人様には「運動は続けた方がいいですよ」「自己療法は怠らないように」と言いながらついつい怠っていました。その結果、悲惨な股関節の痛みに苦しむ状態になりました。自業自得という反省の中で経緯を皆様に見て頂いて教訓にして下さればと思います。
私は2018年4月から歩行数を記録するアプリを入れています。このデータをグラフ化しますと次のようになります。運動不足が股関節の痛みにつながったという関係がよくわかります

記録をとりだしたのは2018年4月からです。翌月の5月は月間歩数が34,122歩、一日平均1100歩しか歩いていません。翌6月は65,873歩、一日平均約2200歩です。
さすがにこうして動かない日が続きますと、股関節の調子が悪くなってきます。パソコンに向かっての作業が一日平均5時間程度。一時間に一度は動こうと思っていても集中していると、忘れてしまします。じっとしている時間が長いと筋肉は緊張してしまいます。この頃は、まさに股関節周辺、鼠径部が痛くて歩くのが苦痛になっていました。このままではますますダメになると思って、決意して運動や手入れを始めます。2018年7月のことです。一気にこの月は165,226歩まで上がりました。運動や自己療法などの手入れを始めますと3∼4週間で調子が良くなってきます。
そして2019年8月までの1年余、月間15万歩は歩いています。この間、股関節のことをほとんど意識していません。体調記録を見ても股関節の痛みに関する記述はなく好調です。
ところが10月頃からまたさぼり始めています。2019年12月には44,182歩まで一気に落ちています。これは例年のことですが、10月頃からこの地方はしぐれる日が多くなります。寒さも加わってくるとついつい運動が億劫になります。そして、積雪の多いところですので、歩きたくても歩けないということを正当化の理由にして運動から遠ざかります。2020年5月までも月間7∼8万歩を程度です。しかも、この歩数の中には、実は室内での自転車による数値が半分ほど入っています。この間仙腸関節が不安定になったことはよく自覚しています。
同時に3月頃から股関節の痛みがひどくなり、痛いから動かないという悪循環に陥っています。2020年5月には、もうこのままでは動けなくなるのではないかという状態になりました。幸いといいますか丁度この時期、新型コロナの影響で長浜バイオ大学で予定していた「科学的根拠に基づく健康支援活動」のイベントや一連の企画が一斉に中止になって、自宅での生活が中心となりましたので、情けない姿を人様の目にさらすことなく、地道に運動と自己療法を実践し、動き出せば痛くないという結果を出すことができました。
今回のひどい股関節の痛み再発経験が、私をつき動かすことになりました。完全ではありませんが、自分自身施術現場から離れたとはいえ股関節の痛み解消についての自己療法(歪み解消、筋肉等周辺組織の過緊張解消を含む無理のないストレッチ、戦略的筋肉増強等々)を広くお伝えすることが最後の役目だと思って始めました。
滋賀県長浜市で行われるピンピンコロリン村の活動や科学的根拠に基づく健康支援活動の一環として各関節の痛みに関する自己療法講座は市内各地の公民館、自治会などでずっとやってきました。それに私の苦しんできた股関節の痛み解消も今後の活動に組み入れたということです。
筋力低下と関節の不安定が問題か?
今実践していますのは、長年来院者の方にお教えしてきた自己療法、自己鍛錬法、それに加え膨大な量になった自身の経験から発見しては積み上げてきた手入れ法。それに加えて理に合った歩き方。歩くといいましてもいわゆる万歩計頼り、歩数さえ稼げばいいということではありません。股関節の痛み解消に効果的だと実感した歩き方を取り入れています。
科学的根拠に基づいた健康支援事業を、滋賀県長浜市で一緒に進める関西大学人間健康学部教授、医学博士河端隆志教授指導のインターバル速歩と二軸歩行を取り入れた河端教授指導の歩行法です。河端教授は専用の靴まで研究開発されています。
さらに、必要に迫られこれまで考案して自作してきた自己療法用の簡単な道具を使ったの手入れ法も実践しています。自分では思うように手入れできない部位もあります。そこをどうするか試行錯誤の連続ですが、何しろ施術家としての経験がある私が、実際に股関節の痛み解消に有効かどうか、使ってみて改良していくのですから、なかなかいいものができてきたと自負しています。そうした努力を継続しているうちに何とか痛みが徐々に軽減し、苦痛から脱出できるようになりましたので、その成果を一人でも多くの皆様にご案内できれば嬉しいです。
痛み方、痛む部位、痛む動きもその時々違いますし、一人一人みんな違います。
残念ながら、この方法で良くなるという決まったものはないといっていいと思います。お一人お一人の身体の状態を正確に把握して、仮説を立てて、やってみて、一つ一つ組み立てていくしかありません。
自己療法と運動開始から50日たった段階では、残念ながら股関節の痛みが完全になくなったわけではありません。毎朝車で約5∼6分の運動公園に行くのですが、車に乗る時、車から降りる時、降りて歩き始める時は痛みがあります。
特に歩き始めの2∼3分は痛みがあります。あれこれ調整しながらゆっくり動いていますと痛みが徐々に薄れ、3分経過する頃にはほぼ早足、大股で歩けるようになるのが最近の状況です。いったん痛みが消えてきますと30分のインターバル速歩は気持ちいいです。
ようやく最悪の状態から脱出できました。
この記事を書いている2020年7月30日現在、日常生活に支障のないところまで回復しています。衰えていた筋肉が回復してきたのも動いてみて、触ってみてわかります。
特にお尻の筋肉が盛り上がってきたのを実感します。太ももの後ろの筋肉やお尻の筋肉が落ちてきていたのは間違いありませんでした。骨盤周辺の仙腸関節を含む関節が正しい状態で保持できなくなったことが今回の股関節の痛みをもたらした一因だと推測していました。
この推測に基づいて戦略的に筋力をアップし、歪みを整え、筋肉の過緊張と筋膜等周辺組織の拘縮、癒着を解消して、関節の動きを整えていきますと、約2カ月で股関節の痛みがほぼなくなりました。
加齢と運動不足と筋力の低下が忍び寄っていることに気づいていませんでした。痛みがほぼなくなった今、この有難さを忘れないで、今度はずっと続けようと決意しています。毎朝1時間ほどの運動と手入れが、今日一日生きていくための必要条件だと心に刻んで、定着したこの生活リズムを楽しんで継続していきます。
こうした私自身の経験と考え方、やり方は現役時代施術していた時とはずいぶん進化・深化しました。自分の身体は自分で守っていこうと思われる方はご一報ください。長年施術家としての経験があり股関節の痛みと共に生きてきた私の体験がお役に立てばうれしいです。
沢山の方を一度に集めて・・なんてことは一切考えていません。個別対応が必要ですから時間的にも人数的にも限界があります。これまでの私の経験が役立つなら、真剣にお一人お一人にお伝えして実践して頂ければ嬉しいです。
私がそうであるように自分でできることは自分でやるのが原則だとお考え下さい。老化や筋力低下の問題は自分でやるしかありません。
但し、私が手術を避けてきたからといって、手術を否定する立場ではありません。手術に頼るしかないと思われる時は当然のこととして医療機関での受診をお勧めします。
そうでなければ、手術は避けたいと思われる方は、自分でできる可能性が残されています。自分でできることは、楽しんでやると決意してください。そうしてお出会いできれば、どこから何を始めるか考えながら、試しながら、あなたにふさわしいやり方を一緒に作り上げていくお手伝いをさせて下さい。
但し、私も残された命の時間、滋賀県長浜市で計画している健康推進活動があります。
股関節の痛み解消に使える日数は毎週2日程度になります。ご縁のある方とのお出会いを楽しみにしています。きっとお役に立てることがあると・・そう信じてお待ちしています。
【追記】
10月10日現在の状態は嘘みたいに快調です。立ち上がってすぐ、歩き始め、動き始めの痛みも「ほぼ」なくなりました。
「ほぼ」というのは、痛くないのを幸いに簡単な日々の手入れを怠っていると、徐々に痛い兆候が表れてくることがあるからです。
その兆候に突き動かされて、一日15~20分程度の自己療法と30~40分程度のインターバル速歩を行っています。
長年の股関節の痛みを抱えてきた身ですから、これだけ動ける日々を喜んで、ありがとうの気持ちを添えての手入れと運動です。
私自身が、毎日自分を実験台にして何とか痛みから逃れたいと取り組んできた研究結果が出ましたので、いよいよこの成果をご希望の方にお教えし、喜びの日々をもたらすお手伝いをいたします。
この結果をもって、責任が持てるHP公開の日を迎えることができました。残された人生の時間を捧げられるお出会いが楽しみです。