約30余年続く
自然形体療法とは
自然形体療法総本部会長
宇野 敏一
痛みのある人の身体は、何らかの形で常に緊張した状態が解けない状態になっています。
そんな時、強い力の手法を使ってしまっては、さらに緊張の度合いを強めてしまいます。
この緊張状態を外部からの力ではなく、自ら解くように誘導する事が大事です。
多くの療法ではいろいろな症状に対して外部からの力(薬物、器具、機械)で何とかしようとします。
例えば筋肉の凝りや張りに対しては揉んだり叩いたりして外部からの力で「ほぐそう」とします。
これらは全て身体にとって強すぎるだけでなく、危険な刺激です。
強すぎる刺激は、身体の脳の防禦反応を招いて、筋肉をさらに緊張させてしまいます。
マッサージに長く通っていると、その場は一瞬気持ちいいと思いますが、回を重ねるごとにもっと強く揉んでもらわないと満足できなくなります。
それは緊張が蓄積されて悪化していくからなのです。
自然形体療法ではそのような無理な力をかける手法は一切用いません。
優しくゆっくりと心地の良い手法によって、緊張した筋肉が自らその警戒を解くように働きかけていきます。
身体を管理している脳が安心して緊張を解除できるようにすることで深いレベルから凝りや張りを解消させていきます。
また、多くの方の身体には歪みや骨格のズレがあります。
多くの療法ではこれに対して力で矯正しようとします。
これは間違っています。
骨は自ら動くものではありません。
骨に付着する筋肉の作用によって動かされています。
歪みの原因である筋肉の緊張を放置したまま骨格のズレを修正しようとゴリゴリボキボキするのは危険ですし、脳からの解除命令がなければ、すぐに元に戻ってしまいます。
自然形体療法では、身体を管理している脳に安心信号を送ることで筋肉の緊張を解消します。
緊張が自然に解消されますと、同時に歪みは解消されて本来の正常な形の身体になります。身体が元の正しい状態を思い出して骨格を正しい位置に戻した時が本当に健康になった時です。
「身体に危険や危害を加えず、傷つけず、痛みも苦痛も与えず、その場で短時間で治す。」
これが自然形体療法の特徴であり、施術のあるべき姿だと考えています。
痛みの原因を見極め、手法を正しく行えば、痛みが解消するという効果をその場で実感できるのが自然形体の最大の特徴です。